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こんばんは、めっちゃ久し振りの和井です。
元気です。
生きてます。

花粉と黄砂にやられぱなしで、その間身体がアレルギー反応を炎症反応と間違えて熱がガッツリ出て下がらなかったり、ちょっとゴタゴタが片付かなったり、色々ありましたが。。。

なんか、手抜きも甚だしい日々ですが、本レビュー。

今回のテーマは”イマジネーション”ですー。


『盤上の夜』―――――宮内悠介
盤上の夜 (創元日本SF叢書)盤上の夜 (創元日本SF叢書)
宮内 悠介

東京創元社 2012-03-22
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古代インドから近代チェス、囲碁まで、ボードゲームをモチーフにした、連作短編集。
第33回日本SF大賞受賞、第1回創元SF短編賞 山田正紀賞と言うだけあって、やはり物語のこの厚みは流石です。
SFと銘打たれながら、人間ドラマとしても歴史物としても読める幅広く、また骨太な文体も良いですね。
特に表題作は天才女流棋士が、失った手足の感覚を盤上に再現しながら打ち続けるというモチーフで、彼女と彼女を支え続ける元棋士の師匠が、愛情でもあり、信頼でもあり、或る意味究極のラブストーリーとしても読めて、素晴らしかったです。
盤上の世界が世界に繋がると言うイメージは正に、無限のイマジネーションですね。


『最果てアーケード』―――――小川洋子
最果てアーケード最果てアーケード
小川 洋子

講談社 2012-06-20
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小川洋子さんの、世界のどこかにある、ちいさなちいさなアーケードとその中でのみ起こる物語。
そのアーケードは特殊なもの(古いレース、レターセット、ドアノブ、使い古しのメダルetc.)しか扱っていなくて、それを必要とする人間にしか入れない。
そのアーケードを父から継いだ女性(自称配達係)の目線で語られる、日常の中の非日常。
このアーケードはどれも死に色濃く彩られていて、読み進めるうちに、静かに崩壊していく世界の中で暮らす彼らも、そんな彼らを見つめ続ける語り手も、もう既に死者なのかも知れない・・・・・。
小川洋子の世界炸裂な静かなるイマジネーション。
漫画原作として書かれていまして、漫画の方も是非。
最果てアーケード(1) (KCデラックス)最果てアーケード(2) (KCデラックス)


『想像ラジオ』―――――いとうせいこう

想像ラジオ想像ラジオ
いとう せいこう

河出書房新社 2013-03-02
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3.11、その日、何があったのか。
届くべき人の中にのみ聞こえる”想像ラジオ”。
語り手、DJアークとその周辺。
少しづつ明らかになる想像ラジオと津波と地震。
人それぞれの悲しみの形。
喪失と絶望と再生。
それらが沢山詰まった小説です。
あまりに圧巻で、あまりに哀しくて、でも希望があって余り上手く感想言えるタイプの小説じゃないんですけど、あの日、被害にあった人、今も遭い続けている人、そしてそれを目撃した人たちに是非とも読んで貰いたい。
そして彼らの声を聞いて欲しい。
死者へのイマジネーション。


今日の一曲:androp「door」
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こんばんはー。
寒いですね!ちょー寒いですね!
こんな日は温かい飲み物と毛布と本に限るんです。
寒いと余計インドアになりますよね・・・・・・・・。

と、いうわけで、久し振りのほんれびゅです。
マジ久し振りです・・・・・・。


『ゴースト・オブ・ユートピア』―――――樺山三英
ゴースト・オブ・ユートピア (Jコレクション)
ディストピアSFの名作・及び古典名作と言える10作品をベースに、現代の存在証明を書き上げた短編集。
「一九八四年」「すばらしい新世界」「ガリヴァー旅行記」「収容所群島」などなどなど・・・・。
SFマガジンに連載していたもので、ガッツリ来る作品です。
10作品の世界を本歌取りしつつ、解釈を施しつつ、”ぼく”が通り抜け、旅をする世界なのですが、すべての作品を知らなくても充分楽しめるし、これを読んだ後、もともとの作品を読んでもいいと思います。
もともと良い意味でひねくれた幻想的・哲学的な作品を書く方なので、勿論一筋縄ではいかないのが樺山作品と言えるのではないでしょうか。
或る意味でこれは壮大な自分探しだと思うのですが、別の意味では『青い鳥』的側面も持つと思います。
単純なテーマながら、ここまで読ませるのはやはり元となる作品の偉大さを感じさせますね。


『都市と都市』―――――チャイナ・ミエヴェル
都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)
ヒューゴー賞始め、5冠ということで、ちょっと読むの足踏みしちゃってたんです。分厚かったし・・・・・。
舞台はバルカンの辺りにある、架空のふたつの都市国家〈ベジェル〉と〈ウル・コーマ〉。
ちょっと特殊な都市で、見えない壁に分断されています。
見えないと言っても、別にSFガジェット的な意味ではなく、パズルのように分断されているので相手側の都市を見ちゃいけないというもの。
見たり触れたりすると”ブリーチ(breach)”と言う行為に当たり、捕まっちゃいます。
勿論完璧には無理なわけで、その辺は意識的に触れないように都市の人間はイメージ訓練しています。
そこで起きた外国人女性の殺人事件。
一体この特殊な都市でどうやって相手の都市に触れずに殺人をしたのか?
という話になっていくのです。
とっても面白かったのですが、この小説は受け取り側がSFとして読むのか、ミステリーとして読むのか、警察小説のハードボイルドとして読むのか、ファンタジーとして読むのかで読み方が全然変わってくるように思います。
ミステリーとして読んだ場合だとかなりすかすかな印象を持っちゃいますし、なんと言ってもハヤカワの青背として出てるので大抵の人はSFとして読むと思いますが・・・・・・。
非常に特殊な舞台設定のため(そして説明が少ないので)、慣れるまではイメージするのが大変ですが、慣れるととても重厚なファンタジーorSFとして読むに耐えるのではないかと。
長いけど。
折角の壮大な設定のわりにラストがイマイチ弱かった気もしますが、東ヨーロッパの雰囲気が凄く良くて、舞台設定だけでも引き込まれます。
ミエヴェルの次回作に期待です。


『シップブレイカー』―――――パオロ・バチガルピ
シップブレイカー (ハヤカワ文庫SF)
ガッツリ系ばっかりなので、ラストは軽いもので。
とはいっても、『ねじまき少女』のバチガルピじゃねえのか、的イメージもあると思いますが、これはジュブナイルもの。
舞台は多分、『ねじまき少女』『カロリーマン』と同じ世界。
石油の枯渇し、資源ももうほとんど無い終わりつつある世界。
そんななか、アメリカ南部のビーチで石油時代の廃船を解体して生活している少年少女たちが主人公。
この話、なんと言ってもメインヒロインが徹底的に可愛くない!(性格的に)ので、ヒロインとしては絶対読まないwwww一応ボーイミーツガールなのに・・・・。
でもシップブレイカー仲間たちが暖かくて(ひどいのもいるけど)助け合って頑張って生きているのです。そこがいい。
背中を押してくれる肝っ玉母さんや、助けたり助けなかったりする謎の半人(犬の顔してる遺伝子操作人)とか、王道。キャラがすごくいいんですよー。
底辺の生活から外の世界に飛び出して~、みたいなのは良くあるジブリ的設定なので読みやすいかと。
シータがめっちゃ可愛くないけどな!www



今日の一曲:ピロカルピン「飛行少女」
こんばんわ。
暑いです。
やる気が出ませんだるいです和井です。
なんのやる気も出ないですよ!!
なんなのこの暑さ!!

わんこもにゃんこも植物も夏バテまっただ中で、夏越し失敗した株も2鉢出ましたぐすん・・・・(;_;)

暑くて本読む元気もなく、だら~っとゲームしてたり、動画見たりしてました・・・・・。
秋になったら積ん読崩したい・・・・!!


では、気を取り直して、本れびゅいきたいと思います~。

『ヴァンパイアハンター・リンカーン』――――セス・グレアム=スミス
ヴァンパイアハンター・リンカーン
映画化おめでとーう!!
『リンカーン 秘密の書』として予告もやってました!
ティム・バートン監督で、チラシも見たんですけど、雰囲気出てましたねー。楽しみ!!
前作『高慢と偏見とゾンビ』が強烈すぎて、どうなんだとうと思ってたら、中身はなかなかに硬派な歴史改変ものでした。
ヴァンパイア好きなら読まない手はない面白さ!
奴隷解放を推し進めたアメリカ大統領・リンカーンの隠された真実とは・・・・・。
遺されたエイブラハム・リンカーンの日記をたどる形式て綴られる物語ですが、現代と過去をむすぶある種の都市伝説的な要素もかなりありーのでして、後味も結構悪いんですよねー。
そこがまたいいんですけど。
南北戦争と奴隷解放、この二つをまさかヴァンパイアと人間の闘争に置き換えるのもびっくりでしたが、何より良かったのは、最近のヴァンパイアものにありがちなヴァンパイアの出オチ感をなくして、結構強くなってる上に怖いって事ではないでしょうか?
武器が斧って言うのもいいですねえ。
和井的にはエイブラハムに手を貸し続ける謎のはぐれヴァンパイアがかなりツボでした。
映画を見る前、または見た後にぜひぜひ!


『カーデュラ探偵社』―――――ジャック・リッチー
カーデュラ探偵社 (河出文庫)
ネタ的につながりで。
夜しか開かない謎の探偵社、その正体は・・・・・・、ってことで、ちょっと読むとモロバレなんですが、探偵さんはヴァンパイアでもかの有名なあの方なのですwww
しかし、現代に対応しながらも、お金は無いし、地所や城は社会主義の嵐の下、なくなるし、がんばる(でもズレてる)ヴァンパイア探偵。
そんな彼の連作短編集。
ミステリーとしてもかなり読める作りなので、あんまり書くとネタバレになってしまうのですが・・・・。
こういう、肩に力入れないで読める面白いミステリーはかなり好きです。
ミステリーとしても良くできてるし、結構なブラックさがまたたまらない感じでとてもいいですー。



今日の一曲:Within Temptation「The Cross」

こんばんはー。
わんこの勘ちーがほとんど目が見えていないことが判明し、まあ、光とか嗅覚狩猟犬特有の鼻とか耳とか、こちらがフォローすればだいじょうぶでしょ、って言われてちょっと落ち込んだ和井です。
大事にするけど!!
コイツ、関節も猫か!ちゅうくらいに、くにゃくにゃなんだよね・・・・・・。


久し振りの本レビューですー。


『太陽が死んだ夜』――――月原渉
太陽が死んだ夜
鮎川哲也賞受賞のミステリー。
ニュージーランドの全寮制女学校での少女の冒険、というめちゃツボい設定がまず惹かれました。
主人公の少女、ジュリアンとバーニィ。
ジュリアンは嫌々ながら、厳格なキリスト教の全寮制学校に入れられるが、そこで出会ったは祖母の手記と、祖母の関わった60年前の謎。
彼女たちがまたいいのです。
謎解きに関わることになる謎の日本人少女、ベル(勿論本名ではありませんが)も良い雰囲気出してます。
謎解き、ミステリーとしては弱いですが、年頃の少女たちだけの閉鎖された空間と殺人、60年前の日本人捕虜など、魅力的なパーツが次々と出てくるので、最後まで読ませます。
かなりツボったかもです。
そして、この本のテーマである、第二次大戦後のニュージーランドでの日本人捕虜虐殺事件。
寡聞ながら、私そういう事件があったことも知りませんでした。
勉強になります。

『世界が終わる灯』――――月原渉
世界が終わる灯
『太陽が死んだ夜』の続編。
ジュリアンとバーニィは冬の休暇を利用して豪華寝台列車に乗る。
その寝台特急で起こった密室殺人と首無し死体。
走行中の電車で消えた犯人と犠牲者の首はどこへ?
またも凄くキャラクターが良かった。今度はバーニィの家族の秘密について。
前作にちゃんと伏線あったんですね・・・・・・気が付かなかった・・・・・・・。
”世界が終わる灯”は文字通りの意味。いまの日本にも他人事じゃないです。
そして、前作にも登場したある人物の詩と、彼女に関わる謎の探偵役の青年も良かったです。
シリーズ化するのかな・・・・?
このシリーズ読んでて普通に勉強になりますな。

『夢違』―――――恩田陸
夢違
恩田陸の新刊ー。楽しみにしてたんですよね。
パンチは少し弱かったかなー。途中も腕結構ゾクゾクさせてくれたので、オチはもっと壮大にしても良かったかも。
あと、もう少し複線を丁寧に回収して欲しかった。
恩田作品には珍しい、ハッピーエンドでした。
これがハッピーエンドなのかはおいといてー。
近未来、夢を映像化できる”夢札”と解析機器”獏”が開発された未来。
夢を解析する専門の機関があり、夢判断をする人間たちがいる。
そんな未来で、子供たちの集団昏倒事件が日本各地で発生し、原因解明のため、夢判断にゆだねられる・・・・・・。
鍵を握るのは死んだ(と思われている)予知夢を見る女、結衣子。
彼女の影と、神隠し、集団昏倒事件・・・・・・・。

しかしね、夢のモチーフがいちいち怖いのー!マジで!
しばらくドビュッシー聴きたくない・・・・・、好きだけど・・・・・。
何分、夢がテーマなので、イメージが鍵を握るんですよね・・・・。
中に出てくる吉野山の桜、私こないだ見に行ったって・・・・・。
私も結構リアルで変な夢をがつがつ見るタイプなので、この押し迫るイメージ群、かーなーりー、怖かったです。
この、集団無意識と夢、現実に浸食するイメージ、みたいなのはくるもんがありました。



今日の一曲:クロード・ドビュッシー「月の光」
こんばんはー。
歳末になっても全然バタバタしてません。
和井です。
年賀状もまだ全部書いてません。
大して数ないのに。


さてさて、今年最後の本レビューです。


『不動カリンは一切動ぜず』――――森田季節
不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)
不動カリンと彼女を巡る人間関係と伝説の青春SF。
SF設定のため、慣れないと感情移入がしにくいですが、不動カリンの突っ走りについて行ければそれでオッケーな感じが致します。
SFのぶふりしたオカルトと青い春のもだもだ感の話。

性交渉による致死性のウイルスが蔓延し、人々は性を介さず、人工授精で産まれる時代。
人々は手のひらに”ノード”と呼ばれる端子を埋め込み、情報を交換する。
そんな世界に生まれた不動カリンと滝口兎譚の二人の少女が、自由研究の為にとある死亡事故にまつわる怪しいうわさ話を収集し始め、過去に起こった事故にふれていく。
そして事件に巻き込まれます。
最後の方の「えええええええ、そう来ちゃうんですか」的感覚がラノベ作家らしいなあ、って感じもあるんですけども、ライトな謎解き的楽しさとか、キャラとか、楽しめるような。
そして、この世界の国とか、神とかの考え方が割とテンプレ的であるにもかかわらず、非常に魅力的なのも好感。

んで、この世界の登場人物たちの感情発現の仕方がなんかに似てるなー、って思ったらあれですよ、『めだかボックス』的な。
あれもかなり好きなんですが。
特にマイナス13組の連中は好きだなー。



『虚言少年』――――京極夏彦
虚言少年
京極夏彦的ズッコケ3人組話。
笑いに焦点を置いた話なのかなー、って思ってたんですけど、京極氏に小学生はキツイわ・・・・。
自分のギャグで自分で笑っちゃうのは小学生の特徴ですが、その辺までやらんでも・・・・。
でもねー面白いいんです。
説明できないけど面白いの。ひねた嘘吐き少年と大人びた屁理屈少年と(多分この子が京極的ポジ)と巻き込まれ型少年の3人組が面白いんだよ。
そして全体的なキャラ構成おもしろいんだよ。
馬鹿話というので、『どすこい(仮)』を想像してたんですけど、これは新境地だわぁ。
馬鹿話でも、学校のあれこれでも、「あー、あるある」的な面白さがあるんですよ。
しかし、内容というかネタというか的にアラサー以上でないと辛いと思われます。
この3人が大きくなって京極堂的な感じでつるんでたら。とか妄想してしまう。
結構分厚いですが、内容が内容なのでさっさと読めちゃいますよー。


『オリガ・モリソヴナの反語法』――――米原万里

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
米原万里の唯一の長編小説と言うことで、気になっていた存在でした。
まあ、主人公の志摩は恐らく米原さん自身でしょうし、オリガ・モリソヴナは実在した先生らしいので、着想は彼女の幼少時代からなのでしょうが。
しかし・・・・・・・引き込まれました。
ソビエト時代をこのように描いた小説ってないから。

お話は主人公・志摩の少女時代から。
プラハのソビエト学校にいた名物教師・オリガ・モリソヴナ。
彼女には強烈な個性とふとした謎があった。
そして、大人になった志摩はふたたソビエト崩壊後のロシアを訪れて、少女時代の友人と再会、オリガ・モリソヴナを追い始める・・・・・・。
いやー、青春小説としてもミステリーとしても、ソ連共産主義のラーゲリ小説としても、どこから読んでも最高です。
そして、主点であるオリガ・モリソヴナとその親友エレオノーラ・ミハイロヴナの関係もいいです。
オリガ・モリソヴナの素顔と来し方が分かってくるほどに彼女に惹かれてしまう、そして、もっと読みたくなる。
ソビエト時代のラーゲリの現実に唖然とさせられながらも、生きることを、語ることを、踊ることを歌うことを諦めない人間たちを芯から愛おしく思う、そんな小説。



今日の一曲:MASS OF THE FERMENTING DREGS「かくいうもの」
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