ハズレ人生に拍車がかかりましたよ。
乱丁落丁にあうこと2回、郵便事故1回、ハガキを束で買ったら一枚完全に白かったり、色付きのめんが入っているはずのそうめんに私のだけ色が無かったり、ミックス玉のはずのお好み焼きに豚しか乗ってなかったり、たこ焼きにたこが入っていなかったこともありました。
しかし今日ソレは刷新された。
昼ごはんに食べようと袋を開けた味噌ラーメンに、調味料が入っていませんでした。素で…素でラーメンを食えと…!!
メーカーさんに電話したら平謝りでした。
ことごとくハズレます。
ここまで行けばある意味アタリ、こんばんわ和井です(前置き長っ!)。
さて百冊百冊。
今回も最後まで宜しくお付き合いくださいませ。
41・古川日出男「僕たちは歩かない」
古川氏は私の中でポスト村上春樹ポジションを占めています。
しかしこれは今までの古川日出男とちょっとちがうな、と。
古川氏の文章って凄くビジュアル的なんですが、これは今まで以上にビジュアル的でかつ読み終わったあとじんわりする。
あと、めちゃくちゃ長い本ばっかりなのにこれは中篇。
24時間制の東京・26時間制の東京の二つの世界を巡る、オルフェウスやイザナギ・イザナミの物語…なんだろうか。
東京の、もうひとつの山手線のビジュアルが凄すぎる。
42・伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
伊坂作品はみんな好きだけど、デビュー作のこれがいちばん好きかも。
いままで何回も読み直したり。
伊坂作品って悪は悪、善は善、でも善がいい思いをするわけではなく、しかし悪にはそれなりに報いがあるという、結構分かりやすい構造ながら、パズル的面白さもあるように思います。
これはその原型ですね。
それに伊坂作品はキャラが立ちまくってるんですよねー。
「陽気なギャングが世界を回す」の響野や「チルドレン」の陣内や「死神の精度」の死神の千葉も好きなのですが、未来を予言するしゃべるカカシの勇午や、『殺しが自然現象』な桜や、嘘しか言わないことが鍵になる老画家や、犬っぽい妙に報われない日比野や、とにかく和井的ツボキャラが多い。
ラストのシーンで思わず膝を叩くとともに感動します。
ただ、あんまり万人受けしないであろうことは自覚しております…。
後もうひとつ。伊坂作品はそれぞれの作品が常にリンクしており、どこかに他の作品のキャラが必ず出ているのである意味「伊坂幸太郎作品」というシリーズモノだと言ってもいいかもしれません。
43・宮部みゆき「孤宿の人」

宮部みゆきは色々好きですが、超能力キャラが出てくるのと時代物のが一番好きです。
で、その時代物の中で一番を選ぶとしたら『ぼんくら』シリーズとこれだと思います。
で、これに。
人間の汚さ、崇高さを少女の目を通して描ききったといっても過言ではないというか…。
ラストのカタストロフは凄い。泣けます。
長いので途中でダルるむかと思いきや、その中盤こそがラストへと続く鍵になるというか、途中会ってこその少女・ほうの返還というか…。
44・恩田陸『三月は深き紅の淵を』
恩田陸女史も私のリスペクト作家さんです。
むしろ激ラブ。これ読んで大きくなったっていうか。
恩田女史がいなかったら萩尾望都さん始めその辺の少女漫画読まなかったと思う。
で、チョイスはやっぱり壮大な三月シリーズの幕開けにふさわしいこの作品。
っていうか恩田先生ってば本好きのツボを押えまくっちゃってヤバい。
余程の本好きでなければこの本は書けない、と思っていたら恩田先生は学生時代は年間500冊、現在でもこんだけ書いてて200冊以上読む読書家さんだとか。いや、私の知りあいの司書は年間800冊読むそうですが…妖怪か?
内容は『三月は深き紅の淵を』という謎の本を巡る4編の短編集?なのかな…。これだけで本好きはヤバい。
なのに、また全部魅力的なんだな!ある時は執筆中、ある時は現在形、ある時は構想中の『三月〜』はやがて膨大なシリーズへ。
私は三月シリーズの装丁イラストを描いてらっしゃる
北見隆さんの大ファンでもあるのでこれだけは、手元にがっちり置いてます。
45・吉田篤弘『針がとぶ』
吉田篤弘っていうと「?」って思う方でもクラフト・エヴィング商會の相方さんの1人っつったらぴんと来る人も大いに違いない。
そんな吉田さん(と、なんか呼んじゃう)の書く文章はとても端整で、ゆったりしててちょっと不思議なのが多い。
かなり好き。
で、中でもこれが一番好き。短編集に見えて少しずつ物語がリンクしてて最初の物語が最後でつながる、不思議な読後感です。
まったりしたいときには吉田篤弘作品とモカマタリのコーヒーとチョコレートと決まっていますのです。
46・藤木稟『朱雀十五シリーズ』
もう取り上げたかと思ってたらまだでした。
やっぱりこれがないと!
和井が魔実也さん白バージョンとして普及に励んでいる朱雀十五氏のシリーズですよ!!(笑)。
巷では京極系だの言われたいましたが私的にはこのどろどろ感と題名のおどろおどろしさは横溝系だと思うんですけど。
しかも文章が、和井が最近まで藤木先生は男性だと思いこんでいたほどの構成力と薀蓄力(なにそれ)。
まあ、私としては盲目の美形弁護士(しかも吉原専属)朱雀十五に惚れろ!といいたいところですが。
(しかしこのキャラと美形ぶりが世の腐女子さんたちの乙女心をくすぐるらしいですよ)。
藤木さんはジャンルとしてはこういう昭和ロマンな時代物ミステリーだけじゃなくてSFとか恋愛モノとかホラーとか沢山書いてますが。
47・奈須きのこ『空の境界』


奈須きのこの原点ですねー。
祝・映画化。しかし不安。
普通の人はどうなんだろう…。和井は、こういう言葉遊びとか思考のパズル的遊びは大好きです。
表紙で引く人多そうだけどな!(笑)。
分厚い上下巻だけど、結構読めちゃうし。やっぱりこのメタ的作りこみ世界や魔術や世界の定義とか、好きですねー。
のちのfateや月姫の原型で、ベースだし。
純粋に両儀識と黒桐幹也の恋愛モノとして読んでもいいと思います。
48・乙一『GOTH』

乙一って言うとあざといほどの感動モノとホラーっぽい怖いのに分かれてるけど私は当然、怖いのが好きです。
で、これはザ・スニーカーに原型が連載してた時に読んでハマってオチを単行本で読みました。
今手元に無いんですけど、こういうのかなり好きだなーって思いながら読んだのでした。
しかしこれの刊行時に良く似たような異常犯罪があって、他聞にもれずに叩かれてた…。
乙一のミステリーやホラーは、兎に角上手くて、絶対オチがきちんとつくんですよね。
オチが付かないのが持ち味な方もいますけど、これほど最初に仕掛けた起承転結の起が転結をへて結へぴたぴたっとはまる人も少ないですよね。テクニシャン。
49・山本弘『神は沈黙せず』

山本弘は現在の日本SF界の中でも和井的期待のホープです。
上手いし。と学会会長だけあって大法螺の吹き方が並じゃないし。
一番の傑作は『アイの物語』だ、と思うんですがやっぱドキドキハラハラ感が並じゃないのでこっち。
すっげー分厚いけどやめられないとまんないから!
もし宇宙がこうだったらどうしよう的ある意味黙示録的な感じがたまらん。
あとすっげー勉強してんだろうなーって思う。
兎に角これに関しては何を言ってもドキドキハラハラの妨げになっちゃいそうなので書けねえ…。
50・中井英夫『とらんぷ譚』
何時出そうかな、何時出そうかなーって思っててでもなんかカテゴライズめっちゃ難しいし、むしろカテゴリー無理だろ的な感じで、大傑作『虚無への供物』だったら多分にメタ的とはいえミステリーだけど私は絶対、とらんぷ譚派なんですよ!
夢野久作だって『ドグラ・マグラ』より『少女地獄』派なんだよ!(少女地獄はまた次回に!)。
中井英夫が存在するとしないじゃもう世界そのものが違っちゃうというか、全集持ってるくせに(集めましたよええ…そりゃもう、ちょっとづつちょっとづつ血の滲む思いで…)昔の初版本なんか見つけた日にゃ買っちゃいますよ!
私の中で澁澤龍彦とかと並びますから。
なぜとらんぷ譚かというと、とらんぷになぞらえて4つに分けられた54の物語展開するから。
でも勿論タダの物語じゃないんです。悪夢と幻想と華麗さが混ざり合って夢に出てきます。熱出してる時とか酔っ払ってる時読むと大変なことに(笑)。
まさに幻影の千年王国。至宝ですね。
今日の一曲:クロード・ドビュッシー「版画」