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こんばんはー。
歳末になっても全然バタバタしてません。
和井です。
年賀状もまだ全部書いてません。
大して数ないのに。


さてさて、今年最後の本レビューです。


『不動カリンは一切動ぜず』――――森田季節
不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)
不動カリンと彼女を巡る人間関係と伝説の青春SF。
SF設定のため、慣れないと感情移入がしにくいですが、不動カリンの突っ走りについて行ければそれでオッケーな感じが致します。
SFのぶふりしたオカルトと青い春のもだもだ感の話。

性交渉による致死性のウイルスが蔓延し、人々は性を介さず、人工授精で産まれる時代。
人々は手のひらに”ノード”と呼ばれる端子を埋め込み、情報を交換する。
そんな世界に生まれた不動カリンと滝口兎譚の二人の少女が、自由研究の為にとある死亡事故にまつわる怪しいうわさ話を収集し始め、過去に起こった事故にふれていく。
そして事件に巻き込まれます。
最後の方の「えええええええ、そう来ちゃうんですか」的感覚がラノベ作家らしいなあ、って感じもあるんですけども、ライトな謎解き的楽しさとか、キャラとか、楽しめるような。
そして、この世界の国とか、神とかの考え方が割とテンプレ的であるにもかかわらず、非常に魅力的なのも好感。

んで、この世界の登場人物たちの感情発現の仕方がなんかに似てるなー、って思ったらあれですよ、『めだかボックス』的な。
あれもかなり好きなんですが。
特にマイナス13組の連中は好きだなー。



『虚言少年』――――京極夏彦
虚言少年
京極夏彦的ズッコケ3人組話。
笑いに焦点を置いた話なのかなー、って思ってたんですけど、京極氏に小学生はキツイわ・・・・。
自分のギャグで自分で笑っちゃうのは小学生の特徴ですが、その辺までやらんでも・・・・。
でもねー面白いいんです。
説明できないけど面白いの。ひねた嘘吐き少年と大人びた屁理屈少年と(多分この子が京極的ポジ)と巻き込まれ型少年の3人組が面白いんだよ。
そして全体的なキャラ構成おもしろいんだよ。
馬鹿話というので、『どすこい(仮)』を想像してたんですけど、これは新境地だわぁ。
馬鹿話でも、学校のあれこれでも、「あー、あるある」的な面白さがあるんですよ。
しかし、内容というかネタというか的にアラサー以上でないと辛いと思われます。
この3人が大きくなって京極堂的な感じでつるんでたら。とか妄想してしまう。
結構分厚いですが、内容が内容なのでさっさと読めちゃいますよー。


『オリガ・モリソヴナの反語法』――――米原万里

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
米原万里の唯一の長編小説と言うことで、気になっていた存在でした。
まあ、主人公の志摩は恐らく米原さん自身でしょうし、オリガ・モリソヴナは実在した先生らしいので、着想は彼女の幼少時代からなのでしょうが。
しかし・・・・・・・引き込まれました。
ソビエト時代をこのように描いた小説ってないから。

お話は主人公・志摩の少女時代から。
プラハのソビエト学校にいた名物教師・オリガ・モリソヴナ。
彼女には強烈な個性とふとした謎があった。
そして、大人になった志摩はふたたソビエト崩壊後のロシアを訪れて、少女時代の友人と再会、オリガ・モリソヴナを追い始める・・・・・・。
いやー、青春小説としてもミステリーとしても、ソ連共産主義のラーゲリ小説としても、どこから読んでも最高です。
そして、主点であるオリガ・モリソヴナとその親友エレオノーラ・ミハイロヴナの関係もいいです。
オリガ・モリソヴナの素顔と来し方が分かってくるほどに彼女に惹かれてしまう、そして、もっと読みたくなる。
ソビエト時代のラーゲリの現実に唖然とさせられながらも、生きることを、語ることを、踊ることを歌うことを諦めない人間たちを芯から愛おしく思う、そんな小説。



今日の一曲:MASS OF THE FERMENTING DREGS「かくいうもの」
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