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こんばんはー。
咳がでるのでブルーマロウのハーブティー~~。
これ、真っ青な色で飲む時「ええっ!?」ってなるんですが味はほのかな甘みで美味いです。
胃と咳に効きます。


さてさて本れびゅ!

『狼たちの月』―――フリオ・リャマサーレス
狼たちの月
『黄色い雨』で私のツボを突きまくってくれたリャマサーレスの最新訳本。
実質これがリャマサーレスの原点でデビュー作であるので、本当に出てくれて嬉しいです。
前回、廃村を舞台に無くなっていく村、消えてゆく家族などの虚無をテーマに書いていたのですが、今回はスペイン内戦がテーマ。
スペインの現代を語るにはスペイン内戦とフランコ独裁政権は避けて通れないんですが、これはそれを庶民とゲリラというある意味最も側で見ていた人たちの話。
1937年、アストゥリアス地方で民兵として戦い、敗走しゲリラとなり、山に逃げ込んだ4人の男性とその家族達と周りの人間達の話が1946年までの断景として描かれています。
あまりにも辛く残酷であるはずなのに、リャマサーレスは人間を、アストゥリアス地方の自然の美しさを、時の流れを、丁寧に余りにも透明に書いていて、只の記録に終わらせていません。
一人一人と失われていく仲間達を見守るのは、月。
自らを山に潜む狼にたとえ、「月は死者達の太陽なんだよ」という主人公の父の言葉が読み進めば進ほど身に染みいる傑作だと思います。映画『パンズ・ラビリンス』に何か感じるものがあった人には是非読んで貰いたいです。
スペイン内戦の知識がないと少し辛いかもしれませんが訳者の木村榮一氏が後書きでかなり克明に書いていますのでそちらを読むと良いと思います。
しかし、後書きの、スペインでの内戦の話は読むとあまりにも悲惨で落ち込む…。


『ゴーレム100』―――アルフレッド・ベスター
ゴーレム100 (未来の文学)
結論を先に言うと。
めっっちゃくちゃ面白かったです。
これ翻訳した人スゲー!渡辺佐智江さんスゲー!
問題作だとか強烈だとか言われてますけど、ちゃんと正統派SFしてて、お遊びの悪魔召還→連続殺人事件→深層心理の蘊蓄→新人類という、何故こうなるんだー!見たいな。
でもすっごく流れに無理がないので読みやすいし、分厚いですがすぐ読めちゃうですよ。
ある意味黙示録的悪ふざけ。
ヤクとか心理学とか超格差社会とか、とにかく新しくて、とてもじゃないけど30年近く前に書かれた小説だなんて思えない。
SFってどうしても技術が進むと置いてきぼりになっちゃったり、古くなっちゃったりするんですけどそんな事が全然無いのが凄いなー、と。
ゴーレム100とゴーレム101とは何なのか。結局どうなったのか。
このラストでエヴァンゲリオン思い出したかも。



『ジャン=ジャックの自意識の場合』―――樺山三英
ジャン=ジャックの自意識の場合
日本SF新人賞受賞作。
これは…、すげー難しいんです。感想書くのが。
途中まで、「アレ、これSF?」って思って読んでたんですけど、ちゃんと、かなりSFでした。
観念的、哲学的、そしてどこからどこまでが現実なのか?むしろこの世界に完璧な現実などあるのか?
どんどん裏返っていくネガとポジ。象徴的な存在として描かれる少女アンジュが死んで、蘇る。
冒険譚でありながらとことん陰鬱なモノローグと子供達のみの社会(=ネヴァーランド)の生成と崩壊。そして挟まれる手紙。
でも凄く面白いです!
『海辺のカフカ』とか好きな人にはお勧めかも。
所々で挟まれる引用やらで、ルソーやジャック・デリダ、サリンジャーを鑑みて、これはSF的な視点から見た人工的ネヴァーランドの構築と失敗、そしてそれによる崩壊の物語なのかも、と思ったり。



『すべての終わりの始まり』―――キャロル・エムシュウィラー
すべての終わりの始まり (短篇小説の快楽)
国書刊行会編集の短篇集。
ケリー・リンクやフィリップ・K・ディック的な不思議感溢れる短編群。SFで有名な人なんですけど「え?SF?」って思っちゃったです。これも。
用語紹介や状況説明が全くないので慣れないと躓くんですが読み出すとこの不思議世界観の中毒になります(笑)。
私は「私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知らない」が一番好きでした。


『マーティン・ドレスラーの夢』―――マーティン・ミルハウザー
マーティン・ドレスラーの夢
某はーりー・Qさんに教わって読み出したら物凄くハマった作家さん。
最近読んだ三冊の中でこれが一番印象的だったので。
マーティン・ドレスラーという葉巻屋の息子がホテル王として『夢』の建物に固執し、成功し、転落するまでの話なのですが、兎に角、建てれば建てるほどどんどん凄くなっていくホテルというか複合施設の様が微に入り細に穿って描写され尽くしていてスゲーです。地下の様子とかめちゃ惹かれます。
夢の中のもの、場所、建築物って誰にでも覚えがあると思うんですけど。
彼が成功する鍵となるのがヴァーノン家の未亡人とその二人の娘なのですが、彼女たちが運命の三女神(モイライ)を象徴しているように思います。
ノルンていうより、モイライの方。
娘達の母、マーガレットがラケシス、そして非常に象徴的な役割を持ち、マーティンの妻となるキャロリンがお終いの鍵となるアトロポス、聡明でマーティンの理解者であり、助言者的立場にいながら最後にマーティンではなく姉キャロリンを選ぶ妹エメリンがクロトーに対応しているように感じました。
他のもすごーく楽しみです。
じっくり読もうと思ってます。



今日の一曲:フジファブリック「桜の季節」
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